vSphere 6.0 以降を使用して、vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを移行することができます。
vCenter Server システム間での仮想マシンのコールド移行とホット移行は、特定の仮想マシンのプロビジョニングの場合に役立ちます。
- クラスタおよび vCenter Server インスタンスの間でワークロードを分散します。
- 同じ場所または別の地理的領域において、異なる vCenter Server インスタンスのリソースに渡って容量を柔軟に拡大または縮小します。
- 異なる目的を持つ環境間で仮想マシンを移動します(たとえば、開発環境から本番環境)。
- ストレージ領域やパフォーマンスなどに関するさまざまなサービス レベル アグリーメント (SLA) を満たすように、仮想マシンを移動します。
vCenter Server インスタンス間の vMotion の要件
システムが特定の要件を満たしている場合、vCenter Server インスタンス間で vMotion を使用できます。
次のリストは、vCenter Server インスタンス間の移行を使用可能にするためにシステムが満たす必要がある要件をまとめたものです。
- 拡張リンク モードの vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを移行するときに、Advanced Cross vCenter vMotion を使用せずに、次の要件を満たしていることを確認します。
- 両方の vCenter Server インスタンスは、同じ vCenter Single Sign-On ドメイン内に存在する必要があります。拡張リンク モードを使用すると、ソース vCenter Server はターゲット vCenter Server の認証を受けることができます。
拡張リンク モードで vCenter Server をインストールする方法の詳細については、『vCenter Server のインストールとセットアップ』ドキュメントを参照してください。
- vCenter Server 間の長距離 vSphere vMotion 機能には、vSphere Enterprise Plus ライセンスが必要です。詳細については、http://www.vmware.com/uk/products/vsphere/compare.htmlを参照してください。
- ソースおよびターゲットの vCenter Server インスタンスと ESXi ホストは、6.0 以降でなければなりません。
- vCenter Single Sign-On トークンを正確に検証するには、両方の vCenter Server インスタンスが互いに時刻の同期を行う必要があります。
- コンピューティング リソースのみの移行の場合は、両方の vCenter Server インスタンスが共有仮想マシン ストレージに接続されている必要があります。
- 両方の vCenter Server インスタンスは、同じ vCenter Single Sign-On ドメイン内に存在する必要があります。拡張リンク モードを使用すると、ソース vCenter Server はターゲット vCenter Server の認証を受けることができます。
- Advanced Cross vCenter vMotion を使用して、異なる vCenter Single Sign-On ドメインの vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを移行する場合は、次の要件を満たしていることを確認します。
- 仮想マシンのインポートまたはエクスポートを開始する vCenter Server インスタンスは、バージョン 7.0 Update 1c 以降である必要があります。
- Advanced Cross vCenter vMotion 機能を使用してパワーオン状態の仮想マシンを vMotion するには、vSphere Enterprise Plus ライセンスが必要です。
- Advanced Cross vCenter vMotion 機能を使用してパワーオフ状態の仮想マシンを移行するには、vSphere Standard ライセンスが必要です。
vCenter Server インスタンス間の vMotion 時のネットワーク互換性チェック
vCenter Server インスタンス間の仮想マシンの移行では、仮想マシンが新しいネットワークに移動します。移行プロセスでは、ソース ネットワークとターゲット ネットワークが類似しているかどうかを確認するチェックが実行されます。
vCenter Server では、ネットワーク互換性チェックが実行され、次の構成の問題が回避されます。
- ターゲット ホストの MAC アドレスの互換性
- Distributed Switch から標準スイッチへの vMotion
- 異なるバージョンの Distributed Switch 間の vMotion
- 内部ネットワーク(物理 NIC のないネットワークなど)への vMotion
- 適切に機能していない Distributed Switch への vMotion
vCenter Server では、次の問題のチェックは実行されず、通知も行われません。
- ソース Distributed Switch とターゲット Distributed Switch が同じブロードキャスト ドメインにない場合、仮想マシンは移行後にネットワーク接続を失う。
- ソース Distributed Switch とターゲット Distributed Switch で同じサービスが構成されていない場合、仮想マシンは移行後にネットワーク接続を失う可能性がある。
vCenter Server システム間の移行時の MAC アドレスの管理
vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを移動する場合、具体的には、ネットワークにおけるアドレス重複とデータ損失を回避するために、環境で MAC アドレスの移行が処理されます。
複数の vCenter Server インスタンスが存在する環境では、仮想マシンが移行されるとき、その MAC アドレスはターゲット vCenter Server に転送されます。ソース vCenter Server は MAC アドレスを拒否リストに追加して、新しく作成された仮想マシンにその MAC アドレスが割り当てられないようにします。
未使用の MAC アドレスを拒否リストから解放する場合は、VMware テクニカル サポートにお問い合わせください。
Advanced Cross vCenter vMotion を使用した仮想マシンのエクスポートまたはクローン作成
Advanced Cross vCenter vMotion を使用すると、vCenter Server システム間でワークロードを移行またはクローン作成できます。オンプレミス環境とクラウド環境のどちらからでもワークロードの移行を開始できます。Advanced Cross vCenter vMotion は、vCenter Server 拡張リンク モードまたはハイブリッド リンク モードに依存しません。また、さまざまな vCenter Single Sign-On ドメイン内の vCenter Server システム間で仮想マシンを移行できます。
Advanced Cross vCenter vMotion を使用すると、仮想マシンを別の vCenter Single Sign-On ドメイン内の vCenter Server インスタンスに移行できます。たとえば、新しい vCenter Server インスタンスを展開するときに、以前のバージョンの vCenter Server インスタンスから新たにプロビジョニングしたインスタンスに仮想マシンを移行できます。
前提条件
- 仮想マシンの移行先 vCenter Server インスタンスの管理者アカウントの認証情報を取得します。
- 移行先の vCenter Server インスタンスが、バージョン 6.5 以降であることを確認します。
- 仮想マシンを他の vCenter Server インスタンスにエクスポートする場合、エクスポート元の vCenter Server インスタンスがバージョン 7.0 Update 1c 以降であることを確認します。
- vCenter Server システム間で仮想マシンをクローン作成する場合、クローン作成元の vCenter Server インスタンスがバージョン 7.0 Update 3 以降であることを確認します。
- 移行する仮想マシンに NVDIMM デバイスが装備されていて、PMEM ストレージが使用されている場合は、移行先のホストまたはクラスタに使用可能な PMEM リソースがあることを確認します。
- NVDIMM デバイスまたは vPMem ディスクが装備されている仮想マシンを移行する場合は、移行先のホストに適切なライセンスがあることを確認します。
- 必要な権限:リソース.vMotion のクエリ
- パワーオン状態の仮想マシンを移行する場合は、次の要件を満たしていることを確認します。
- 必要な権限:リソース.パワーオン状態の仮想マシンの移行
- ホストと仮想マシンが vMotion を使用した移行の要件を満たしていることを確認します。vMotion のホスト構成およびvMotion の仮想マシンの要件および制限事項を参照してください。
- ホストと仮想マシンが、ライブ移行の要件を満たしていることを確認します。共有ストレージを使用しない場合の vMotion の要件および制限事項を参照してください。
- パワーオフ状態の仮想マシンを移行する場合は、次の要件を満たしていることを確認します。
- 必要な権限:リソース.パワーオフ状態の仮想マシンの移行
- コールド移行の要件を確認してください。コールド移行を参照してください。
手順
結果
仮想マシンは、新しい vCenter Server インスタンス内の移行先のフォルダに移動またはクローン作成されます。移行の進行状況は、[最近のタスク] ペインで監視できます。移行中にエラーが発生した場合、仮想マシンは元の状態および場所に戻されます。
Advanced Cross vCenter vMotion を使用した仮想マシンのインポートまたはクローン作成
Advanced Cross vCenter vMotion を使用すると、vCenter Server システム間でワークロードを移行できます。オンプレミス環境とクラウド環境のどちらからでもワークロードの移行を開始できます。Advanced Cross vCenter vMotion は、vCenter Server 拡張リンク モードまたはハイブリッド リンク モードに依存しません。また、さまざまな vCenter Single Sign-On ドメイン内の vCenter Server システム間で仮想マシンを移行できます。
Advanced Cross vCenter vMotion を使用すると、別の vCenter Single Sign-On ドメイン内の vCenter Server インスタンスから仮想マシンをインポートまたはクローン作成できます。たとえば、新しい vCenter Server インスタンスを展開するときに、以前のバージョンの vCenter Server インスタンスから新たにプロビジョニングしたインスタンスに仮想マシンを移行できます。
前提条件
- 仮想マシンをインポートまたはクローン作成する元の vCenter Server インスタンスの管理者アカウントの認証情報を取得します。
- インポート元の vCenter Server インスタンスがバージョン 6.5 以降であることを確認します。
- 仮想マシンを別の vCenter Server インスタンスにインポートする場合、インポート先の vCenter Server インスタンスがバージョン 7.0 Update 1c 以降であることを確認します。
- 仮想マシンを別の vCenter Server インスタンスにクローン作成する場合、クローン作成先の vCenter Server インスタンスがバージョン 7.0 Update 3 であることを確認します。
- 移行する仮想マシンに NVDIMM デバイスが装備されていて、PMEM ストレージが使用されている場合は、移行先のホストまたはクラスタに使用可能な PMEM リソースがあることを確認します。
- NVDIMM デバイスまたは vPMem ディスクが装備されている仮想マシンを移行する場合は、移行先のホストに適切なライセンスがあることを確認します。
- 必要な権限:リソース.vMotion のクエリ
- パワーオン状態の仮想マシンを移行する場合は、次の要件を満たしていることを確認します。
- 必要な権限:リソース.パワーオン状態の仮想マシンの移行
- ホストと仮想マシンが vMotion を使用した移行の要件を満たしていることを確認します。vMotion のホスト構成およびvMotion の仮想マシンの要件および制限事項を参照してください。
- ホストと仮想マシンが、ライブ移行の要件を満たしていることを確認します。共有ストレージを使用しない場合の vMotion の要件および制限事項を参照してください。
- パワーオフ状態の仮想マシンを移行する場合は、次の要件を満たしていることを確認します。
- 必要な権限:リソース.パワーオフ状態の仮想マシンの移行
- コールド移行の要件を確認してください。コールド移行を参照してください。
手順
結果
仮想マシンは、現在の vCenter Server インスタンス内の移行先のフォルダに移動されます。移行の進行状況は、[最近のタスク] ペインで監視できます。移行中にエラーが発生した場合、仮想マシンは元の状態および場所に戻されます。