キャパシティは、使用済みリソース、残りリソース、再利用できる未使用のリソースを定量化します。需要の予測は、キャパシティのプロアクティブなビューを提供します。[[キャパシティ] ダッシュボード]には、キャパシティが枯渇するまでの予想残り時間、残りキャパシティの量、残りキャパシティに収まると予想される仮想マシンの数、使用可能なキャパシティを増やすことができる再利用可能リソースに関してキャパシティの情報が表示されます。

キャパシティ管理は、需要と供給のバランスを扱うものです。これは、可能な限りコストを抑えて需要を満たすことに関わるものです。

IaaS または DaaS の場合、ハードウェアが展開される前にキャパシティ管理が開始されます。まず、提供されるサービス クラスを定義するビジネス プランから開始します。ゴールド、シルバー、ブロンズなどの各サービス クラスは、サービス品質で区別されており、ゴールドでは 99.99% のアップタイム、シルバーでは 99.95% のアップタイムというような可用性を対象としています。また、ゴールドでは 10 ms のディスク遅延、シルバーでは 20 ms のディスク遅延といったパフォーマンスや、セキュリティまたはコンプライアンスも対象とします。

品質を高めるとコストがかかり、それにより価格が高くなります。ゴールドの仮想マシンはサービス品質が高いため、仮想 CPU あたりの価格と RAM GB あたりの価格が高くなります。適切な価格モデルを計画する必要があります。お客様に前もって適正化させる必要がある場合、vCPU が 64 基の仮想マシンは、vCPU が 1 基の仮想マシンの 64 倍以上の価格にする必要があります。価格モデルが単純な定額法である場合は、小規模にしても見返りはなく、過剰にプロビジョニングしても罰則はありません。この場合、最終的に本番環境で適正化が強制されることになりますが、これはコストと時間のかかるプロセスになります。

需要は、キャパシティを消費しているアクティブな負荷よりも多くなります。使用率に基づくキャパシティだけでは不完全であるため、次の図に示すプリンシパルが考慮されます。
  • 潜在需要。多くの重要な仮想マシンは、ディザスタ リカバリによって保護されています。ディザスタ リカバリの訓練や実際の災害時には、この負荷が消費されます。
  • 見込み需要。新たにプロビジョニングされた仮想マシンの多くは、予想される需要に達するまでに時間がかかります。データベースがフル サイズに達するまで、ユーザーベースが目標に達するまで、機能が完了するまで時間がかかります。これが達成されると、需要の増加になります。
  • 仮想マシンまたは Kubernetes ポッドのサイズが不足している場合、未対処の需要が発生します。負荷はほとんどの場合、約 100% で実行します。
  • 過度の需要は、共有環境で大きな混乱をもたらすことがあります。非常に要求の厳しい仮想マシンのグループの場合、集合的に、クラスタまたはデータストアの全体的なパフォーマンスに影響を与える可能性があります。