ESXi システムの依存型ハードウェア iSCSI アダプタは、VMware が提供する iSCSI 構成インターフェイスおよび管理インターフェイスと、VMware ネットワークに依存するサードパーティ製アダプタで構成されています。
依存型 iSCSI アダプタの例として、Broadcom 5709 NIC が挙げられます。ホストにインストールされると、標準的なネットワーク アダプタと iSCSI エンジンの 2 つのコンポーネントを同じポートに提供します。ストレージ アダプタのリストで iSCSI エンジンは iSCSI アダプタ(vmhba)として表示されます。
iSCSI アダプタはデフォルトで有効です。これが機能するには、仮想 VMkernel アダプタ (vmk) を介して、アダプタと関連付けられた物理ネットワーク アダプタ (vmnic) に接続する必要があります。これで、iSCSI アダプタを構成できます。
依存型ハードウェア iSCSI アダプタを設定すると、ネットワーク接続を介して検出および認証データが渡されます。iSCSI トラフィックは、ネットワークをバイパスして、iSCSI エンジンを通過します。
依存型ハードウェア iSCSI アダプタの設定および構成はすべて、いくつかの手順を実行します。
手順 | 説明 |
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依存型ハードウェア iSCSI アダプタの表示 | 依存型ハードウェア iSCSI アダプタを表示して、それが正しくロードされていることを確認します。 |
ESXi ホストの iSCSI または iSER アダプタの全般プロパティの変更 | 必要に応じて、アダプタに割り当てられているデフォルトの iSCSI 名およびエイリアスを変更します。 |
iSCSI アダプタとネットワーク アダプタとの間の関連性の特定 | ネットワーク接続を作成して、依存型 iSCSI アダプタと物理ネットワーク アダプタをバインドする必要があります。接続を正しく作成するには、依存型ハードウェア iSCSI アダプタと関連付けられている物理 NIC の名前を判断する必要があります。 |
ESXi での iSCSI または iSER のポート バインドの設定 | iSCSI コンポーネントと物理ネットワーク アダプタ間のトラフィックの接続を設定します。これらの接続を設定するプロセスは、ポートのバインドと呼ばれます。 |
ESXi ホストでの iSCSI および iSER の動的または静的検出の設定 | 動的検出を設定します。動的検出では、イニシエータが指定された iSCSI ストレージ システムに接続するたびに、SendTargets 要求がシステムに送信されます。iSCSI システムは、使用可能なターゲットのリストをイニシエータに提供します。動的検出方法の他に、静的検出を使用して、ターゲットの情報を手動で入力することも可能です。 |
iSCSI または iSER ストレージ アダプタの CHAP の設定 | iSCSI 環境では、Challenge Handshake Authentication Protocol (CHAP) を使用する場合、それをアダプタに対して設定します。 |
ターゲットの CHAP の設定 | 検出アドレスまたは静的ターゲットごとに別々の CHAP 証明書を設定できます。 |
ネットワークのジャンボ フレームの有効化 | iSCSI 環境がジャンボ フレームをサポートしている場合は、アダプタに対してジャンボ フレームを有効にします。 |
依存型ハードウェア iSCSI に関する考慮事項
依存型ハードウェア iSCSI アダプタを ESXi で使用する場合、特定の考慮事項が適用されます。
- 依存型ハードウェア iSCSI アダプタを使用すると、iSCSI トラフィックが多い場合でも、アダプタに関連付けられている NIC のパフォーマンスに関するレポートに、アクティビティがほとんど、またはまったく表示されない場合があります。これは、iSCSI トラフィックが通常のネットワーク スタックをバイパスするために発生します。
- サードパーティ仮想スイッチを使用する場合は、自動固定を無効にします。代わりに手動による固定を使用して、VMkernel アダプタ (vmk) を適切な物理 NIC (vmnic) に接続していることを確認します。詳細は、仮想スイッチ ベンダーのドキュメントを参照してください。
- Broadcom iSCSI アダプタは、ハードウェアでデータの再アセンブリを実行しますが、これにはバッファ容量に制限があります。Broadcom iSCSI アダプタを輻輳が発生しているネットワーク、または多大な負荷を受けている状態で使用する場合、パフォーマンス低下を回避するためにフローの制御を有効にします。
フローの制御は、2 台のノード間でのデータ転送率を管理し、高速な送信者が低速な受信者をオーバーランさせてしまうことを防ぎます。ホストおよび iSCSI ストレージ システムの I/O パスのエンド ポイントでフローの制御を有効にすることをお勧めします。
ホストのフロー制御を有効にするには、esxcli system module parameters コマンドを使用します。詳細は、http://kb.vmware.com/kb/1013413 にある VMware ナレッジ ベースの記事を参照してください。
- 依存型ハードウェア アダプタでは、IPv4 および IPv6 がサポートされています。
依存型ハードウェア iSCSI アダプタの表示
ESXi ホストで依存型ハードウェア iSCSI アダプタを表示し、正しくロードされていることを確認します。
手順
次のタスク
依存型 iSCSI アダプタはデフォルトで有効になっていますが、機能させるためには、iSCSI トラフィックのネットワークを設定し、アダプタを適切な VMkernel iSCSI ポートにバインドする必要があります。そのあとで、検出アドレスと CHAP パラメータを構成します。
iSCSI アダプタとネットワーク アダプタとの間の関連性の特定
ESXi ホストでは、ネットワーク接続によって、依存型 iSCSI アダプタおよび物理ネットワーク アダプタがバインドされます。接続を正しく作成するには、依存型ハードウェア iSCSI アダプタと関連付けられている物理 NIC の名前を判断する必要があります。
手順
次のタスク
[VMkernel アダプタ] 列が空の場合、物理ネットワーク アダプタ (vmnic#) の VMkernel アダプタ (vmk#) を作成し、関連する依存型ハードウェア iSCSI にバインドします。ESXi を使用した iSCSI および iSER 用ネットワークの設定を参照してください。