vSphere では、複数のコンポーネントをアップグレードできます。アップグレードに必要な一連のタスクを理解することは、vSphere アップグレードの成功に不可欠です。

図 1. vSphere のアップグレード タスクの概要
vSphere のアップグレード タスクの概要

vSphere のアップグレードには次のタスクが含まれます。

  1. vSphere リリース ノートを参照します。
  2. 構成をバックアップしたことを確認します。
  3. vSphere システムに VMware のソリューションまたはプラグインが含まれる場合は、それらがアップグレード後の vCenter Server Appliance のバージョンと互換性があることを確認します。http://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.phpに掲載されている『VMware 製品の相互運用性マトリックス』を参照してください。
  4. vCenter Server をアップグレードします。

    vCenter Server のアップグレード プロセスの概要を参照してください。

  5. ログ ファイル用に十分なディスク ストレージを確保するために、リモート ログ用に Syslog サーバを設定することを検討します。リモート ホスト上でログ作成を設定することは、ローカル ストレージ容量が限られているホストでは特に重要です。

    詳細な手順については、『ESXi アップグレード』を参照してください。

  6. 仮想マシンを手動でアップグレードするか、vSphere Lifecycle Manager を使用して組織的にアップグレードします。

    詳細については、VMware vSphere Update Manager のインストールと管理について を参照してください。

vSphere のアップグレード時に、データの損失を回避し、ダウンタイムを最小限にするため、すべての手順を所定の順番通りに実行する必要があります。各コンポーネントのアップグレード プロセスは、1 方向にしか実行できません。たとえば、vCenter Server 8.0 へのアップグレード後に vCenter Server 7.0 または 6.7 に戻すことはできません。元の vCenter Server 環境をリストアするには、バックアップおよび適切なプランを立てる必要があります。

vCenter Server のアップグレード プロセスの概要

vCenter Server8.0 へのアップグレードでは、さまざまなオプションが提供されています。

vCenter Server バージョン 6.7 またはバージョン 7.0 のインストールを、バージョン 8.0 にアップグレードまたは移行できます。

図 2. vCenter Server のアップグレード タスクの概要
vCenter Server のアップグレード タスクの概要。

vCenter Server のアップグレードまたは移行手順の概要は次のとおりです。

  1. 目的のアップグレードを選択します。
  2. システムがハードウェアとソフトウェアの要件を満たしていることを確認します。新しい vCenter Server アプライアンスのシステム要件を参照してください。
  3. アップグレードまたは移行用に環境を準備します。
  4. vCenter Server for Windows または vCenter Server Appliance デプロイをアップグレードまたは移行します。
  5. アップグレード後または移行後に必要なタスクを完了します。

同時アップグレードはサポートされません。アップグレードは順に行う必要があります。移行環境をアップグレードする順序については、vCenter Server 6.7 から vCenter Server 8.0 へのアップグレード パスの例を参照してください。

vCenter Server でサポートされるアップグレード方法

グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) インストーラ
GUI インストーラでは、OVA ファイルをデプロイする方法と、 vCenter Server Appliance 管理 GUI を使用する方法の 2 種類のアップグレード方法が提供されます。1 つ目の方法では、 vCenter Server Appliance を OVA ファイルとしてデプロイします。2 つ目の方法では、 vCenter Server 管理 GUI で、ソース デプロイ データを使用して新しいアプライアンスを構成します。
コマンド ライン インターフェイス (CLI) インストーラ
CLI インストーラは、 vCenter Server Appliance をアップグレードしたり、Windows 版 vCenter Server をアプライアンスに移行したりするための手段を上級ユーザーに提供します。CLI テンプレートをカスタマイズして、 vCenter Server Appliance のアップグレードまたは移行に使用できます。
Windows 版 vCenter ServervCenter Server Appliance に移行するための移行アシスタント インターフェイス
レガシーの Platform Services Controller または Windows 版 vCenter Server を、移行アシスタント インターフェイスを使用してアプライアンスに移行する際に使用します。GUI または CLI のいずれかの方法を使用して、レガシーの Windows 環境のデータをターゲット アプライアンスに移行します。 Windows 上の vCenter Server から vCenter Server Appliance に移行する方法を参照してください。
廃止された vCenter Server のデプロイ モデル
廃止されたデプロイ モデルからアップグレードまたは移行する場合は、 vCenter Server 8.0 のデプロイへのアップグレードまたは移行を試行する前に、まず環境を現在サポートされているデプロイ モデルに移行する必要があります。詳細については、 アップグレードまたは移行の前に、非推奨デプロイ トポロジから、サポートされている vCenter Server デプロイ トポロジに移動を参照してください。
vCenter Server へのパッチおよびアップデートの適用
パッチまたはアップデートにより、 vCenter Server 8.0 ソフトウェアを最新のマイナー バージョンにできます。パッチ適用プロセスは、 8.0 デプロイにマイナー アップグレードを適用するために使用します。 vSphere のアップグレード、パッチ適用、アップデート、および移行の違いおよび vCenter Server 8.0 デプロイへのパッチ適用およびアップデートを参照してください。

vCenter Server アップグレード互換性

vCenter Server8.0 へのアップグレードは、データセンターのその他のソフトウェア コンポーネントに影響します。

vCenter Server および関連する VMware 製品とコンポーネントのアップグレードでは、vCenter Server のアップグレードがデータセンターのコンポーネントに及ぼす影響について概説します。

vCenter Server8.0 は、ESXi 8.0 ホストのある同じクラスタ内で ESXi バージョン 6.7 ホストを管理できます。vCenter Server8.0ESXi 6.5 以前のホストを管理できません。

vSphere は vCenter Server 6.7 以降から vCenter Server 8.0 へのアップグレードをサポートしています。vCenter Server 5.0、5.1、5.5、6.0 または 6.5 からアップグレードするには、まず vCenter Server インスタンスをバージョン 6.7 以降のリリースにアップグレードし、次に vCenter Server 8.0 にアップグレードします。vCenter Server 5.0、5.1、5.5、6.0 または 6.5 からバージョン 6.7 または 7.0 へのアップグレードの詳細については、『VMware vSphere 6.7 ドキュメント』または『VMware vSphere 7.0 ドキュメント』を参照してください。

表 1. vCenter Server および関連する VMware 製品とコンポーネントのアップグレード
製品またはコンポーネント 互換性
vCenter Server vCenter Server の既存のバージョンから、アップグレード予定のバージョンへのアップグレード パスがサポートされていることを確認します。VMware 製品の相互運用性マトリックスを参照してください。http://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php
ESX ホストおよび ESXi ホスト ESX または ESXi が、アップグレード後の vCenter Server バージョンと連携することを確認します。vCenter Server8.0 では、ESXi ホスト バージョン 6.7 以降が必要です。必要に応じてアップグレードします。VMware 製品の相互運用性マトリックスを参照してください。http://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php
VMware ホスト プロファイル

ホスト プロファイルは、ESX および ESXi ホストの設計およびデプロイ用の vCenter Server ツールです。ホスト プロファイル バージョン 6.0 以降が使用されていることを確認してください。ナレッジべースの記事 KB 52932 を参照してください。

ホスト プロファイルに関連するアップグレード問題の詳細については、ホスト プロファイルを含む vCenter Serverのアップグレード問題、および『vSphere ホスト プロファイル』ドキュメントのホスト プロファイルのアップグレード ワークフローに関するセクションを参照してください。

VMFS ボリューム

VMFS5 データストアを VMFS6 にアップグレードすることはできません。環境内に VMFS5 データストアがある場合、VMFS6 データストアを作成し、VMFS5 データストアから仮想マシンを VMFS6 に移行します。VMFS データストアの詳細については、『vSphere ストレージ』を参照してください。

仮想マシン 現在の使用バージョンによってアップグレード オプションが異なります。仮想マシンのアップグレードの詳細については、『ESXi アップグレード』を参照してください。
VMware Tools 現在の使用バージョンによってアップグレード オプションが異なります。VMware Tools のアップグレードの詳細については、『ESXi アップグレード』を参照してください。
Auto Deploy 互換性と最高のパフォーマンスを確保するには、vCenter Server8.0 にアップグレードする際に、Auto Deploy を使用して ESXi ホストを同じバージョンにアップグレードします。
vSphere Distributed Switch (DVS) vCenter Server 8.0 にアップグレードする前に、Distributed Switch を 6.6 以降にアップグレードする必要があります。ナレッジべースの記事 KB 52826 を参照してください。
vSphere Network I/O Control vSphere Distributed Switch 6.0 以降は、Network I/O Control 3 のみをサポートします。Network I/O Control の以前のバージョンを使用している場合は、Network I/O Control 3 にアップグレードする必要があります。詳細については、『vSphere ネットワーク』を参照してください。
vSAN

vCenter Server と ESXi での vSAN サポートの違いによる潜在的な障害を回避するため、vCenter Server と ESXi のバージョンを同期します。vCenter Server および ESXi の vSAN コンポーネント間の統合を最適化するには、これらの 2 つの vSphere コンポーネントの最新バージョンを導入します。詳細については、『ESXi のインストールとセットアップ』、『vCenter Server のインストールとセットアップ』、『ESXi のアップグレード』、および『 vCenter Server のアップグレード』を参照してください。

vSAN ディスクのバージョン

vSAN には、クラスタのバージョンおよびアップグレード履歴に応じて使用可能な、さまざまなオンディスク フォーマット バージョンがあります。オンディスク フォーマット バージョンには一時的なものや、長期的な本番環境向けのものがあります。vSAN 機能によってはオンディスク フォーマットのバージョンに関連付けられていることがあるため、相互運用性を決定する場合は、フォーマットのバージョンを考慮する必要があります。ナレッジべースの記事 KB 2148493 を参照してください。

レガシー Fault Tolerance vCenter Server インベントリに、レガシー VMware Fault Tolerance (FT) で使用されている仮想マシンが含まれている場合は、この機能をオフにするまで、アップグレードまたは移行はブロックされます。レガシー Fault Tolerance の詳細については、ナレッジべースの記事KB 2143127 を参照してください。レガシー Fault Tolerance を無効にする、またはオフにする方法については、ナレッジべースの記事KB 1008026 を参照してください。