vCenter Server Appliance のアップグレードを成功させるには、アップグレード プロセスを始める前に、次の必須タスクと事前チェックを実行する必要があります。
全般的な前提条件
- vCenter Server インストーラのダウンロードおよびマウント.
- vSphere ネットワーク上のすべてのコンピュータの時刻が同期していることを確認します。vSphere ネットワーク上の時刻の同期を参照してください。
ターゲット システムの前提条件
- システムがソフトウェアおよびハードウェアの最小要件を満たしていることを確認します。新しい vCenter Server アプライアンスのシステム要件を参照してください。
- ESXi ホストに新しいアプライアンスをデプロイする場合は、ターゲットの ESXi ホストが、ロックダウンまたはメンテナンス モードでないことを確認します。
- vCenter Server が管理する ESXi ホストで新しいアプライアンスをデプロイする予定がある場合は、クラスタの Distributed Resource Scheduler (DRS) 設定を確認します。ターゲットの ESXi ホストが存在するクラスタの DRS 設定が、完全自動化用に構成されていないことを確認してください。自動化レベルを手動または一部自動化に設定します。自動化レベルにより、アップグレード プロセスでターゲットの ESXi ホストが再起動されなくなります。
- vCenter Server インスタンスのインベントリの DRS クラスタで新しいアプライアンスをデプロイする場合、クラスタに、少なくとも 1 台、ロックダウンまたはメンテナンス モードでない ESXi ホストが含まれていることを確認します。
- vSphere with Tanzu が有効になっている環境で vCenter Server インスタンスをアップグレードする場合は、Supervisor が実行されていないクラスタに新しいアプライアンスがデプロイされることを確認します。ターゲットの ESXi ホストが存在するクラスタの DRS 設定が、完全自動化用に構成されていないことを確認してください。
ソース システムの前提条件
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ソース アプライアンスが、vCenter Server インスタンスのインベントリの DRS クラスタ上にある場合は、アップグレード中に次の手順を実行します。
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アプライアンスが配置されている ESXi ホストを使用する場合は、クラスタの Distributed Resource Scheduler (DRS) 設定を確認します。アップグレード中にソース システムの仮想マシンが移動されないように、クラスタの DRS 設定が手動または一部自動に設定されていることを確認します。
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アプライアンスが配置されている vCenter Server インスタンスを使用する場合は、クラスタの DRS 設定を変更する必要はありません。
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- アップグレード対象の vCenter Server アプライアンスのポート 22 が開いていることを確認します。アップグレード プロセスは、ソースの vCenter Server Appliance からエクスポートされるデータをダウンロードするため、インバウンド SSH 接続を確立します。
- 外部 Update Manager で構成された vCenter Server Appliance をアップグレードする場合は、ソースの Update Manager コンピュータで移行アシスタントを実行します。
GUI アップグレードの場合は、移行アシスタントを手動で実行する必要があります。ソース Windows マシンでの VMware Migration Assistant のダウンロードと実行を参照してください。
CLI アップグレードの場合は、移行アシスタントを手動または自動で実行できます。移行アシスタントを自動実行するには、source.vum section セクションと run.migration.assistant サブセクションを JSON テンプレートに追加します。vCenter Server Appliance の CLI アップグレード用構成パラメータのアップグレードを参照してください。
- アップグレード対象のアプライアンスが配置されているソース ESXi ホストのポート 443 が開いていることを確認します。アップグレード プロセスは、ソース ESXi ホストとの HTTPS 接続を確立し、ソース アプライアンスのアップグレード準備が整っていることを確認して、新しいアプライアンスと既存のアプライアンス間の SSH 接続を設定します。
注: アップグレードの際に、 vCenter Server の一時インスタンスでは、 vCenter Server の永続インスタンスと同一の、ポート 443 へのアクセス権が必要になります。環境内のすべてのファイアウォールで、 vCenter Server の一時と永続の両インスタンスに対してポート 443 へのアクセスが許可されていることを確認します。
- アップグレード対象のアプライアンスに、アップグレード用データの格納に十分な未使用のディスク容量があることを確認します。
- アップグレード プロセスで障害が発生した場合に備え、アップグレードする vCenter Server Appliance のイメージベースのバックアップ(スナップショット)を作成します。外部 Platform Services Controller を使用して vCenter Server アプライアンスをアップグレードする場合は、まず外部 Platform Services Controller を組み込み Platform Services Controller に統合してから、アップグレードを実行する必要があります。ナレッジべースの記事 KB 68137 を参照してください。
重要: 拡張リンク モード環境でアップグレード前のイメージベースのバックアップを作成するには、環境内のすべての vCenter Server ノードと Platform Services Controller ノードをパワーオフし、各ノードをバックアップします。すべてのノードのバックアップを作成したら、それらを再起動してアップグレード手順を続行できます。
アップグレードが失敗した場合は、新しくデプロイされた vCenter Server アプライアンスを削除し、それぞれのバックアップから vCenter Server および Platform Services Controller ノードをリストアします。環境内のすべてのノードをバックアップからリストアする必要があります。この操作が失敗すると、レプリケーション パートナーがリストアされたノードと同期されなくなります。
イメージベースのバックアップの詳細については、『vCenter Server のインストールとセットアップ』の「vCenter Server 環境のイメージベース バックアップとリストア」を参照してください。
- 外部のデータベースを使用している場合は、新しいアプライアンスのデータベース サイズと最小ストレージ サイズを決めます。新しいアプライアンスの Oracle データベース サイズとストレージ サイズの特定を参照してください。
- 環境で外部データベースを使用している場合は、外部 vCenter Server Appliance のデータベースをバックアップする必要があります。
- vSphere with Tanzu が有効になっている環境で vCenter Server インスタンスをアップグレードする場合は、vCenter Server アプライアンスが配置されているクラスタの DRS 設定が手動または一部自動に設定されていることを確認し、アップグレード中にソース システムの仮想マシンが移動されないようにします。
ネットワークの前提条件
- アップグレードするアプライアンスが配置されているソースの ESXi ホストおよび vCenter Server インスタンスに、新しいアプライアンスを接続できることを確認します。
- アプライアンスの一時的なネットワーク設定に、固定 IP アドレスおよび FQDN をシステム名として割り当てる場合は、IP アドレス用に DNS レコードの正引きおよび逆引きが構成されていることを確認します。
- 新しい vCenter Server Appliance の一時的なネットワーク設定に DHCP IP アドレスを割り当てる場合は、新しいアプライアンスをデプロイする ESXi ホストが、既存の vCenter Server Appliance が実行される ESXi ホストと同じサブネットにあることを確認してください。
- 新しい vCenter Server Appliance の一時的なネットワーク設定に DHCP IPv4 アドレスを割り当てる場合は、新しいアプライアンスをデプロイする ESXi ホストが、MAC アドレスの変更を受け入れるポート グループに関連付けられたネットワークに、少なくとも 1 つ接続されていることを確認します。分散仮想スイッチのデフォルトとして、MAC アドレスの変更を拒否するセキュリティ ポリシーを設定することを検討します。スイッチまたはポート グループのセキュリティ ポリシーを設定する方法については、『vSphere のネットワーク』を参照してください。