GUI を使用して、組み込みの Platform Services Controller を使用する vCenter Server インスタンスを vCenter Server Appliance に移行することができます。

Windows 上の組み込みの Platform Services Controller を使用する vCenter Server から vCenter Server Appliance に移行する場合は、デプロイ全体が 1 つの手順で移行されます。

移行しようとしている Windows 上の vCenter Serverデプロイで Update Manager を使用していて、Update Manager が他の vCenter Server コンポーネントとは別のマシンで実行されている場合は、追加の手順を実行して Update Manager をアプライアンスに移行する必要があります。

  1. Windows 上の vCenter Server環境で外部の Update Manager を使用している場合は、Update Manager マシンで移行アシスタントを実行して、Update Manager サーバとデータベースの Update Manager Appliance への移行を開始します。
  2. 組み込みの Platform Services Controller を使用する vCenter Server インスタンスを Windows から vCenter Server Appliance に移行します。
図 1. Platform Services Controller が組み込まれた vCenter Server 6.7 デプロイの移行前と移行後
Platform Services Controller が組み込まれた vCenter Server 6.7 の移行前後

次に示したのは、組み込みの Platform Services Controller を使用する vCenter Server を Windows から vCenter Server Appliance に移行するための GUI タスクです。

  1. vCenter Server インストーラのダウンロードおよびマウント移行を実行するネットワーク仮想マシンまたは物理サーバ上の ISO ファイル。
  2. ソース Windows マシンでの VMware Migration Assistant のダウンロードと実行.
    注: 移行する vCenter Serverシステムが別の Windows マシンで実行されている Update Manager の外部インスタンスを使用している場合は、最初に Update Manager マシンで移行アシスタントを実行してください。
  3. Windows からアプライアンスへの vCenter Server の移行に必要な情報を集めます。
  4. ターゲットの vCenter Server Appliance に移行するための OVA ファイルのデプロイ.
  5. ターゲット vCenter Server アプライアンスの設定
重要: GUI インストーラを実行するマシンへのログインに使用するユーザー名、 vCenter Server Appliance インストーラへのパス、およびパスワードを含むユーザー固有の値は ASCII 文字のみを使用する必要があります。拡張 ASCII および非 ASCII 文字はサポートされません。

インストーラは以下を実行します。

  • 新しいターゲット アプライアンスを導入する。
  • ソース vCenter Server から必要なファイルをエクスポートする。
  • 必要なファイルを新しい vCenter Server Appliance にコピーする。
  • [サマリ] の指定に従い、新しい vCenter Server Appliance で移行のプロセスを実行する。
  • ソース vCenter Server インストールのファイルと設定を新しい vCenter Server Appliance にインポートおよび更新する。

ターゲットの vCenter Server Appliance に移行するための OVA ファイルのデプロイ

移行プロセスを開始するには、GUI インストーラを使用して、ターゲットの vCenter Server Appliance としてインストーラ ISO ファイルに含まれた OVA ファイルをデプロイします。

図 2. Platform Services Controller が組み込まれた vCenter Server 6.7 デプロイの移行前と移行後
Platform Services Controller が組み込まれた vCenter Server 6.7 の移行前後

前提条件

手順

  1. vCenter Server インストーラで、vcsa-ui-installer ディレクトリから該当するオペレーティング システムのサブディレクトリに移動し、インストール実行ファイルを実行します。
    • Windows OS の場合は、win32 サブディレクトリに移動して installer.exe ファイルを実行します。
    • Linux OS の場合は、lin64 サブディレクトリに移動して installer ファイルを実行します。
    • Mac OS の場合は、mac サブディレクトリに移動して Installer.app ファイルを実行します。
  2. ホーム画面で、[移行] をクリックします。
  3. [概要] ページを確認して移行のプロセスを理解し、[次へ] をクリックします。
  4. 使用許諾契約書を読んで同意し、[次へ] をクリックします。
  5. ソースに接続するページで、ソースの vCenter Server インスタンスの詳細を入力し、[次へ] をクリックします。
    1. IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名 (FQDN) を入力します。
    2. vCenter Server インスタンスの管理者権限を持つユーザー(例:administrator@your_domain_name ユーザー)のユーザー名とパスワードを入力します。
    3. 移行アシスタントの手順で入手した移行アシスタントのポートを入力します。
  6. (オプション) 警告メッセージを確認し、警告がある場合は解決してから、[はい] をクリックします。
  7. ソースの vCenter Server を移行するターゲット サーバに接続します。
    オプション 手順
    ターゲット アプライアンスのデプロイ先の ESXi ホストに接続できます。
    1. ESXi ホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN) のアドレスまたは IP アドレスを入力します。
    2. ESXi ホストの HTTPS ポートを入力します。
    3. ESXi ホストの管理者権限を持つユーザー(たとえば、root ユーザー)のユーザー名とパスワードを入力します。
    4. [次へ] をクリックします。
    5. 証明書の警告が表示された場合は、[はい] をクリックしてそれに同意します。
    vCenter Server インスタンスに接続してインベントリを参照し、ターゲット アプライアンスをデプロイする ESXi ホストまたは DRS クラスタを選択することができます。
    1. vCenter Server インスタンスの FQDN アドレスまたは IP アドレスを入力します。
    2. vCenter Server インスタンスの HTTPS ポートを入力します。
    3. vCenter Server インスタンスの管理者権限を持つ vCenter Single Sign-On ユーザー(例:administrator@your_domain_name ユーザー)のユーザー名とパスワードを入力します。
    4. [次へ] をクリックします。
    5. 証明書の警告が表示された場合は、[はい] をクリックしてそれに同意します。
    6. 新しいアプライアンスをデプロイする ESXi ホストまたは DRS クラスタが含まれているデータセンターまたはデータセンター フォルダを選択し、[次へ] をクリックします。
      注: ロックダウン モードまたはメンテナンス モードでない ESXi ホストが 1 台以上含まれるデータセンターまたはデータセンター フォルダを選択する必要があります。
    7. 新しいアプライアンスをデプロイする ESXi ホストまたは DRS クラスタを選択し、[次へ] をクリックします。
  8. [ターゲット アプライアンス仮想マシンの設定] 画面で、ターゲットの vCenter Server Appliance の名前を入力し、root ユーザーのパスワードを設定して、[次へ] をクリックします。
    パスワードの長さは 8 文字以上とし、1 つ以上の数字、大文字と小文字、1 つ以上の特殊文字(感嘆符 (!)、ハッシュ キー (#)、アット記号 (@)、丸括弧 (()) など)が含まれている必要があります。
    重要: ローカル オペレーティング システムのパスワードは、ターゲットのアプライアンスに移行されません。
  9. vSphere インベントリの新しい vCenter Server Appliance のデプロイ サイズを選択します。
    注: ソース デプロイよりも小さいデプロイ サイズを選択することはできません。
    デプロイ サイズのオプション 説明
    極小 2 個の vCPU と 14 GB のメモリが搭載されたアプライアンスをデプロイします。

    ホストの数が 10 台、仮想マシンの数が 100 台までの環境に適しています。

    4 個の vCPU と 21 GB のメモリが搭載されたアプライアンスをデプロイします。

    ホストの数が 100 台、仮想マシンの数が 1,000 台までの環境に適しています。

    8 個の vCPU と 30 GB のメモリが搭載されたアプライアンスをデプロイします。

    ホストの数が 400 台、仮想マシンの数が 4,000 台までの環境に適しています。

    16 個の vCPU と 39 GB のメモリが搭載されたアプライアンスをデプロイします。

    ホストの数が 1,000 台、仮想マシンの数が 10,000 台までの環境に適しています。

    特大 24 個の vCPU と 58 GB のメモリが搭載されたアプライアンスをデプロイします。

    ホストの数が 2,500 台、仮想マシンの数が 45,000 台までの環境に適しています。

    注: 展開サイズ テーブルの下部に、ソース マシンのサイズ情報の行が表示されます。このサイズ情報は移行アシスタントによって報告され、特定の展開サイズを選択できない理由を理解する際に役立ちます。
  10. 新しい vCenter Server Appliance のストレージ サイズを選択し、[次へ] をクリックします。
    ストレージ サイズのオプション 極小規模のデプロイ サイズの説明 小規模のデプロイ サイズの説明 中規模のデプロイ サイズの説明 大規模のデプロイ サイズの説明 特大規模のデプロイ サイズの説明
    [デフォルト] ストレージが 579 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 694 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 908 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 1358 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 2283 GB のアプライアンスをデプロイします。
    [大] ストレージが 2019 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 2044 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 2208 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 2258 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 2383 GB のアプライアンスをデプロイします。
    [特大] ストレージが 4279 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 4304 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 4468 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 4518 GB のアプライアンスをデプロイします。 ストレージが 4643 GB のアプライアンスをデプロイします。
  11. 利用可能なデータストアのリストから、仮想マシンのすべての構成ファイルと仮想ディスクが格納される場所を選択します。また必要に応じて、[シン ディスク モードを有効にする] を選択して、シン プロビジョニングを有効にします。NFS データストアは、デフォルトでシン プロビジョニングされます。
  12. ソースの vCenter Server とターゲットの vCenter Server アプライアンスの間の通信のための一時的なネットワークを設定し、[次へ] をクリックします。
    オプション 操作
    [ネットワークの選択] 新しいアプライアンスを一時的に接続するネットワークを選択します。

    ドロップダウン メニューに表示されるネットワークは、ターゲット サーバのネットワーク設定によって異なります。アプライアンスを ESXi ホストに直接デプロイする場合は、短期のポートバインド以外の設定をしている分散仮想ポート グループはサポートされないため、ドロップダウン メニューに表示されません。

    重要: DHCP の割り当て機能を使用して一時的な IPv4 アドレスを割り当てる場合は、MAC アドレスの変更を受け入れるポート グループに関連付けられたネットワークを選択する必要があります。
    [IP アドレス ファミリ] 新しいアプライアンスの一時的な IP アドレスのバージョンを選択します。

    IPv4 または IPv6 のどちらかを選択します。

    [ネットワーク タイプ] アプライアンスの一時的な IP アドレスの割り当て方法を選択します。
    • [固定]

      ウィザードには、一時的な IP アドレスとネットワーク設定の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    • [DHCP]

      一時的な IP アドレスの割り当てには、DHCP サーバが使用されます。環境内で DHCP サーバを使用できる場合にのみ、このオプションを選択します。

  13. [ステージ 1 の設定の確認] ページで、ターゲット vCenter Server アプライアンスのデプロイ設定を確認し、[終了] をクリックして OVA デプロイ プロセスを開始します。
  14. OVA デプロイ プロセスが終了するまで待機し、[続行] をクリックして移行プロセスのステージ 2 を続行し、ソースの vCenter Server からデータを転送してターゲット アプライアンスのサービスを開始します。
    注: [閉じる] をクリックしてウィザードを終了した場合は、新しくデプロイしたターゲットの vCenter Server アプライアンスの vCenter Server 管理インターフェイスにログインし、ソースの vCenter Server からデータを転送してサービスを設定する必要があります。

結果

新しくデプロイされたターゲットの vCenter Server Appliance バージョン 8.0 は、ターゲット サーバで実行されますが、まだ設定されていません。

重要: ソースの vCenter Server のデータはまだ転送されず、ターゲット アプライアンスのサービスは起動されません。

ターゲット vCenter Server アプライアンスの設定

OVA デプロイが完了すると、移行プロセスのステージ 2 にリダイレクトされます。ここでは、ソースの vCenter Server のデータを転送して、新しくデプロイされた vCenter Server Appliance バージョン 8.0 のサービスを開始します。

ターゲット アプライアンスの設定を開始すると、ダウンタイム期間が開始されます。このプロセスは、ソース デプロイのシャットダウンによって完了されるまでキャンセルまたは中断することはできません。ターゲット アプライアンスが起動すると、ダウンタイム期間は終了します。

手順

  1. 移行プロセスのステージ 2 の概要を確認し、[次へ] をクリックします。
  2. [ソースの vCenter Server の選択] ページで、ソースの vCenter Server の vCenter Single Sign-On 管理者パスワードおよび root パスワードを入力し、vCenter Server インスタンスの管理者権限を持つユーザーのパスワードを入力して、[次へ] をクリックします。
  3. (オプション) 警告メッセージが表示される場合は、[はい] をクリックして受け入れます。
  4. ソース Windows マシンが Active Directory ドメインに接続されている場合は、ターゲット マシンを Active Directory ドメインに追加する権限を持った管理者ドメイン ユーザーの認証情報を入力し、[次へ] をクリックします。
    注: 入力した認証情報はインストーラによって検証されますが、移行先のマシンを Active Directory ドメインに追加するうえで必要な権限まではチェックされません。Active Directory ドメインにマシンを追加するために必要なすべての権限をユーザーの認証情報が満たしていることを確認してください。
  5. [VMware カスタマ エクスペリエンス改善プログラム (CEIP)] ページを参照し、プログラムへの参加を希望するかどうかを選択します。
    CEIP の詳細については、『 vCenter Server およびホストの管理』の「カスタマー エクスペリエンス向上プログラムの設定」セクションを参照してください。
  6. [設定の確認] ページで、移行の設定を確認し、バックアップの確認事項に同意して、[終了] をクリックします。
  7. [OK] をクリックし、ソースの vCenter Server をシャットダウンします。
  8. データ転送とセットアップ プロセスが終了するまで待機し、[OK] をクリックして vCenter Server の [はじめに] ページに移動します。

結果

ソースの vCenter Server インスタンスが Windows から vCenter Server Appliance に移行されます。ソースの vCenter Server インスタンスはパワーオフされ、新しいターゲットアプライアンスが起動します。

次のタスク

アプライアンスへの移行が正常に完了したことを確認します。確認の手順については、vCenter Server のアップグレードまたは移行結果の確認を参照してください。移行後の手順については、vCenter Server のアップグレードまたは移行後を参照してください。