vSphere Lifecycle Manager デポは、vSphere Lifecycle Manager のソフトウェア アップデートのソースです。概念的には、vSphere Lifecycle Manager デポは、vSphere Lifecycle Manager で使用可能なすべてのソフトウェアを表しています。

vSphere Lifecycle Manager デポは、vCenter Server 上のローカル デポです。このローカル デポには、vSphere Lifecycle Manager で構成したとおりにオンライン デポからダウンロードされたソフトウェア アップデートが含まれています。vSphere Lifecycle Manager デポへのアップデートのインポートは、手動で行うこともできます。vSphere Lifecycle Manager を操作できるのは、vSphere Lifecycle Manager デポにソフトウェア パッケージ(ESXi 基本イメージ、ベンダー アドオン、サードパーティ製コンポーネント、以前のパッチやアップデート)が含まれている場合のみです。

ソフトウェア アップデートを vSphere Lifecycle Manager デポに移動する方法

vSphere Lifecycle Manager デポにソフトウェアをポピュレートする方法を制御できます。アップデートは、オンライン デポからダウンロードするように vSphere Lifecycle Manager で構成できます。インターネットにアクセスできない環境の場合は、Update Manager Download Service (UMDS) を使用し、UMDS で作成された共有リポジトリからソフトウェアをダウンロードするように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。または、オフライン デポを使用して、アップデートを vSphere Lifecycle Manager デポに手動でインポートすることもできます。

オンライン デポおよびデフォルトの VMware オンライン デポについて

VMware、OEM、およびサードパーティ ソフトウェア プロバイダは、ソフトウェア アップデートを作成し、ソフトウェア デポと呼ばれる、適切に定義された xml ファイル構造で出荷します。アップデートの配布形式に応じて、ソフトウェア デポをオンラインおよびオフラインにすることができます。

オンライン デポは、VMware、OEM、およびサードパーティ ソフトウェア プロバイダが配布するソフトウェア アップデートのホスト バージョンです。 vSphere Lifecycle Manager からオンライン デポにアクセスできるようにするには、そのデポへの URL を指定します。 vSphere Lifecycle Manager は、1 つのオンライン デポ(デフォルトの VMware オンライン デポ)からアップデートをダウンロードするように事前に構成されています。
VMware オンライン デポ

VMware が提供する、VMware によって認定された ESXi 基本イメージ、ベンダー アドオン、および ESXi 互換の I/O デバイス ドライバ、および非同期 VMware Tools リリースがホストされているデフォルトのオンライン デポです。ホストの ESXi バージョンをインストール、更新、またはカスタマイズするために必要なすべてのソフトウェアは、オンラインの VMware 公式デポで入手できます。OEM およびサードパーティのソフトウェア アップデートにアクセスするために、個別のオンライン デポと連携する必要はありません。


vSphere 8.0 での VMware 公式デポの違いを示す図
注: ファームウェアのアップデートは VMware デポにホストされていません。ファームウェアのアップデートを実行するには、ハードウェア ベンダーが提供するハードウェア サポート マネージャ プラグインをインストールする必要があります。このプラグインを使用すると、必要なファームウェアおよび関連ドライバのアップデートが含まれているデポにアクセスできます。
VMware オンライン デポ以外の他のオンライン デポ(CIM モジュールなどの追加コンポーネントを含むサードパーティ デポなど)にアクセスし、それを使用するように vSphere Lifecycle Manager を構成することもできます。ただし、他のサードパーティ デポおよび独立したコンポーネントを使用する必要はほとんどありません。ほとんどの場合、公式の VMware デポで入手可能なベンダー アドオンは、 ESXi の完全な OEM カスタマイズ版となります。

vSphere Lifecycle Manager は、使用するように構成したオンライン デポからローカルの vSphere Lifecycle Manager デポにコンテンツをダウンロードします。

同期
同期とは、 vSphere Lifecycle Manager が、構成されたとおりに、オンライン デポのコンテンツをローカルの vSphere Lifecycle Manager デポにダウンロードするプロセスです。同期中は、ソフトウェア メタデータのみがダウンロードされます。実際のペイロードは、ステージング時や修正時など、必要なときにダウンロードされます。 vCenter Server をデプロイすると、 vSphere Lifecycle Manager は公式の VMware オンライン デポと自動的に同期します。最初の同期の後、ダウンロード タスクを定期的に実行するようにスケジューリングしたり、ダウンロード タスクを手動で開始したりできます。

オフライン デポについて

オフライン デポは、オフライン バンドルとも呼ばれている ZIP ファイルです。ユーザーはこのファイルをインターネットからダウンロードするか、メディア ドライブからコピーして、ローカル ドライブまたは共有ネットワーク ドライブに保存します。その後、オフライン バンドルを vSphere Lifecycle Manager デポにインポートできます。

VMware の公式オンライン デポにホストされているすべてのソフトウェア アップデートは、オフライン バンドルとしても利用できます。オフライン バンドルは my.vmware.com からダウンロードできます。オフライン バンドルは、VMware の Web サイト、またはサードパーティ ベンダーの Web サイトからダウンロードすることもできます。

OEM は offline.zip ファイル(オフライン バンドル)とカスタム ISO イメージを配布するほかに、OEM 独自のイメージと VMware が提供するそれぞれの基本イメージの差分が含まれている Add-on.zip ファイルを配布します。OEM アドオンの詳細については、vSphere Lifecycle Manager が使用できるソフトウェア パッケージ ユニットを参照してください。

インポート
インポートとは、オフライン バンドルのコンテンツを vSphere Lifecycle Manager デポにアップロードする操作です。インポート操作では、ソフトウェア メタデータと実際のペイロードの両方が vSphere Lifecycle Manager デポにダウンロードされます。オフライン バンドルのインポートに加えて、ISO イメージを vSphere Lifecycle Manager デポにインポートすることもできます。その後、ISO イメージを使用して、アップグレード ベースラインを作成できます。 vSphere Lifecycle Manager イメージを使用して管理するクラスタでは、ISO イメージを使用できません。

ソフトウェア ディストリビューションファイルと対応する配布形式

ソフトウェア ベンダー ソフトウェア配布ファイル ソフトウェア配布形式
VMware 基本イメージ
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
  • ISO イメージ
OEM アドオン
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
  • アドオンの ZIP ファイル
  • ISO イメージ
サードパーティ ソフトウェア プロバイダ コンポーネント VMware 認定デバイス ドライバの場合:
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
OEM が検証および認定した他のサードパーティ ソフトウェア(I/O フィルタ、CIM モジュールなど)の場合:
  • オンライン デポ
  • オフライン バンドル

vSphere Lifecycle Manager ダウンロード ソース

vSphere Lifecycle Manager ダウンロード ソースは、vSphere Lifecycle Manager がソフトウェア アップデートをダウンロードする場所です。

インターネットをダウンロード ソースとして使用するように vSphere Lifecycle Manager を構成した場合、ダウンロード ソースは実質上、vSphere Lifecycle Manager で使用するすべてのオンライン デポになります。

UMDS 共有リポジトリをダウンロード ソースとして使用するように vSphere Lifecycle Manager を構成することもできます。インターネットにアクセスできない vCenter Server 環境では、UMDS リポジトリの使用が適切です。UMDS リポジトリを使用するように vSphere Lifecycle Manager を構成すると、アップデートのメタデータの同期が即座にはトリガされません。設定されたダウンロード スケジュールに沿って、またはダウンロードを開始したときに、メタデータがダウンロードされます。UMDS リポジトリを vSphere Lifecycle Manager のダウンロード ソースとして使用すると、アップデートのメタデータのみがダウンロードされ、vSphere Lifecycle Manager デポに保存されます。実際のペイロードは、ステージングまたは修正時にダウンロードされます。

デポのオーバーライド

ROBO のシナリオでは、vCenter Server インスタンスのすべてのクラスタがデフォルトで使用するデポではなく、特定のクラスタのローカル デポを更新に使用するように vSphere Lifecycle Manager を設定できます。

詳細については、クラスタまたはスタンドアローン ホストのデポのオーバーライドの管理を参照してください。