適正サイジングの主なメリットは、インフラストラクチャの最適化とコスト削減の 2 つです。インフラストラクチャの適正サイジング分析時に、組織は、コスト削減のためにダウンサイジングまたは終了できる資産や、パフォーマンス向上のためにアップグレードできる資産を検出します。
コア パフォーマンス メトリックで、ある資産が低使用率(20% 未満など)を示す場合、その資産は使用率が低下しており、ダウンサイジングの有力候補です。この場合のベスト プラクティスは、その資産を設置面積がより小さいものにダウングレードすることです。
クラウド インフラストラクチャには、実行中であっても使用されていない資産が含まれている可能性があります。こうした資産はゾンビといい、終了の有力候補です。誰かが使用後に資産をオフにし忘れた場合や、スクリプト エラーが原因で資産に障害が発生した場合、結果的にゾンビとなります。原因にかかわらず、クラウド プロバイダでは、このような使用されていない資産に対しても、実行中の状態であるという理由で課金し続けます。こうした資産をプロアクティブに特定して終了すると、コストを削減できます。
使用率の低い資産をダウングレードし、使用されていない資産を終了することで、パフォーマンス最適化だけでなく、コスト削減ができます。資産をアップグレードすると、コストは増加します。しかし、アップグレードすることで、資産は需要の増加に対応できるようになります。
プラットフォームは、データ センターのマシンについて、次のメトリックを取得してシステム リソースの使用状況を判断します。
メトリックは、vSphere 以外のアカウントの場合は VMware Aria Cost Agent を使用して取得され、vSphere アカウントの場合は VMware アグリゲータによって取得されます。
インスタンスの適正サイジング ポリシーで指定されているしきい値のパーセンテージは、各リソースのスコアを算出するためにのみ使用されます。VMware Aria Cost における適正サイジングの推奨事項では、しきい値のパーセンテージは考慮されず、代わりに、リソースのメトリックが考慮されます。
インスタンスの適正サイジング ポリシーを構成する場合は、各メトリックについて、使用率が大幅に低下する場合 セクションと 使用率がやや低下する場合 セクションの両方で、測定値のしきい値として、最大値、最小値、または平均値を指定する必要があります。
VMware Aria Cost の適正サイジング レポートでは、各メトリックについて、使用率が大幅に低下する場合 セクションで指定された測定値のしきい値を使用して、適正サイジングの推奨事項を計算するときにメトリックの最大値、最小値、平均値のうちのどのデータを使用するかが判断されます。
デフォルトで、インスタンス適正サイジング ポリシー では、CPU、メモリ、およびディスクについて、使用率が大幅に低下する場合 のしきい値にはメトリックの平均値を使用します。
マシン適正サイジング レポートでは当月のメトリックが収集されます。したがって、各暦月の最初の 2 日間は、十分なメトリック データがないため、レポートで推奨構成を提示することができません。
VMware Aria Cost は、ソース マシンの CPU、メモリ、およびディスク要件を満たすために必要な最適構成を計算します。それから、計算された構成のカスタム候補が作成されます。
マシン メトリックのスケールは、次のとおりです。
ソース マシンの現在のメトリックがすでにマシンのニーズを満たしている場合を除き、CPU およびメモリはスケールに従って設定されます。たとえば、現在、ソース マシンに 6 つの CPU コアがあり、5 つの CPU コアが必要な場合、カスタム候補の CPU コアの数は 6 になります。ただし、現在、ソース マシンに 9 つの CPU コアがあり、5 つのコアが必要な場合、カスタム候補の CPU コアの数はスケールに従って 8 になります。
ディスクは、ソース マシンの現在のメトリックに関係なく、スケールに従って設定されます。現在、ソース マシンに 1.6 GB のディスク ストレージが搭載されており、1.4 GB が必要な場合、カスタム候補のディスク ストレージの容量はスケールに従って 2 GB になります。
使用可能なメトリック データが 2 日分に満たない場合、推奨構成は空白表示されます。
ソース マシンが実行されていないか、またはアクティブでない場合、推奨事項は データなし になります。
計算された最適構成がソース マシンの既存の構成と一致している場合は、推奨変更なし という結果になります。
適正サイズの推奨事項は、ソース マシンのメトリック要件に最も近い理想的なマシン構成です。
たとえば、ソース マシンの構成が次のようになっているとします。2 コア、16 GB のメモリ、50 GB のディスク。
このマシンの CPU のみの使用率が低い場合は、VMware Aria Cost により、1 コア、16 GB メモリ、50 GB ディスクにマシンをダウングレードすることが推奨されます。
CPU とメモリの両方の使用率が低い場合は、VMware Aria Cost により、マシンを 1 コアにダウングレードし、使用量に応じてメモリを 8 GB にダウングレードすることが推奨されます。
対象のマシンが次のすべての条件に該当する場合は、インスタンスの終了 という結果になります。
マシンの適正サイジング レポートには、次の情報が含まれます。
詳細なレベルとマクロ レベルの両方でマシンのパフォーマンスと使用率を理解するために、VMware Aria Cost は CPU、メモリ、ディスクのデータを取り込みます。これらのメトリックは VMware Aria Cost Agent と VMware アグリゲータを通じて収集されます。
VMware Aria Cost は、インフラストラクチャ内の各マシンの CPU、メモリ、ディスクのメトリックを収集します。各メトリックには、スコアと呼ばれる数値が割り当てられます。個々のメトリック スコアは、各インスタンスの合計スコアを計算するために使用されます。
個々のメトリック スコアは各メトリックの使用率を示しますが、合計スコアは各マシンの使用率を示します。
VMware Aria Cost では、インスタンスの適正サイジング ポリシーで指定した使用率しきい値に基づいてメトリック スコアと合計スコアを作成します。
使用率が大幅に低下する場合 および 使用率がやや低下する場合 カテゴリを使用してメトリックに対する社内業務基準を反映したしきい値を指定します。メトリックの使用率が特定の範囲内にある場合は、メトリックに数値スコアが割り当てられます。
3 つのしきい値カテゴリがあります。
カテゴリ | メトリックのスコア範囲 |
---|---|
使用率が大幅に低下 | 0 ~ 33 |
使用率がやや低下 | 34 ~ 67 |
よく使用されている | 68 ~ 100 |
指定したしきい値は、各リソースをスコア付けするためにのみ使用されます。ただし、VMware Aria Cost による適正サイジングの推奨事項ではしきい値を考慮しません。代わりに、ソース マシンのメトリックを考慮します。
ここでは、使用率が大幅に低下 のしきい値を <40%
として定義します。メトリックの平均使用率が 20%
と測定された場合、使用率はしきい値範囲(0%
~ 40%
)の半分になります。
したがって、使用率に対応するスコアは、使用率が大幅に低下 カテゴリのスコア範囲の半分であり、50% of 33
として計算され、丸め後は 17
になります。
各カテゴリのしきい値を指定するだけでなく、加重を 0
に減らすなど、各メトリックに加重を割り当てることもできます。VMware Aria Cost は、割り当てられている加重を使用して、各インスタンスの合計スコアを次のように計算します。
Total Score = f (CPU, Memory, Disk)
Here, f is the weighted average
Weighted Score = (Weight/Sum of weights) * Score
CPU に加重 2
を割り当て、メモリとディスクにそれぞれ加重 1
を割り当てると、各メトリックの加重スコアは次のように計算されます。
Weighted CPU Score = (2/4) * Score
Weighted Memory Score = (1/4) * Score
Weighted Disk Score = (1/4) * Score
マシンの CPU 使用率に関する次のしきい値の仕様について考えてみましょう。このポリシーの設定に基づいて、使用率のしきい値は次のように定義されます。
カテゴリ | CPU 使用率 | スコア |
---|---|---|
使用率が大幅に低下 | 20% 未満 | 0 ~ 33 |
使用率がやや低下 | 20%–49% | 34 ~ 67 |
よく使用されている | 50% 以上 | 68 ~ 100 |
ここでは、CPU 使用率のスコアがどのように変化するかを説明します。
CPU 使用率 | スコア |
---|---|
50% | 68 |
75% | 68 + [(100 - 68)/2] = 85 |
仮想マシンの適正サイジング レポートは、推奨事項 > 適正サイジング > マシンの適正サイジング で確認できます。
このレポートは、使用率の低いマシンを強調表示します。
個々のメトリックおよび合計スコアは、ゾーンに色の付いたバッテリ メーターとして視覚的に表示されます。スコアが低いほどバーの数が減り、赤からオレンジの色で表示されます。スコアが高いほどバーの数が増え、オレンジから緑の色で表示されます。
メトリックのバッテリ メーターにカーソルを合わせると、詳細が表示されます。個々のメトリック スコアは、当月または先月の平均パフォーマンスを使用して計算されます。カーソルを合わせると、その期間中に測定された最小および最大パフォーマンスを示します。
メトリックのバッテリ メータをクリックして、より詳細なトレンド分析を実行します。
効率 は、このレポートのデフォルトの列の 1 つではありません。これを表示するには、列の編集 をクリックして追加します。
マシンの効率性は 0 〜 100 の範囲で、そのマシンの合計スコアと実行コストに基づいています。
たとえば、非常に高価で、使用率が大幅に低下したマシンの効率性は非常に低く、使用率が大幅に低下したマシンでも、非常に安価なマシンであれば、効率性は高くなります。
効率性を使用して、最大限に節約するためにどのマシンを適正にサイジングするかについて優先順位を決めます。
推奨事項は、インフラストラクチャに関する社内のビジネス ナレッジに対して評価します。
推奨事項は、VMware Aria Cost がマシンの使用状況を分析した後に計算する一連のアクションです。
予想合計コスト は、次のように計算されます。
(machine Usage Hours over analysis period) x (Hourly machine price you provide in the VMware Aria Cost platform)