HTML Access は、リモート セッション中のネットワーク品質を監視し、遅延が大きいためにネットワークが不安定であることを検出した場合に通知メッセージを表示できます。ネットワーク遅延は、ラウンドトリップ時間 (RTT) メトリックを基準に測定されます。

HTML Access 設定を構成して、これらの通知メッセージの表示を制御できます。不安定なネットワークを特定するために、HTML Access で使用されるしきい値パラメータを構成することもできます。

ネットワーク通知メッセージの表示の構成

通知メッセージのオンとオフを切り替えるには、デスクトップとアプリケーションの選択ウィンドウの右上隅にある [設定] ツールバー ボタンをクリックし、[ネットワーク状態の表示を無効にする] オプションを切り替えます。

HTML Access によるネットワーク品質の判断方法のカスタマイズ

ネットワーク接続の品質を判断するために、HTML Access は、指定された時間間隔中に検出された RTT 値を下限しきい値と上限しきい値のペアと比較し、0 ~ 100% の範囲で品質スコアを計算します。スコアが一定のパーセンテージを下回ると、ネットワークは高遅延で不安定とみなされます。

HTML Access は、次のルールを使用してネットワーク品質スコアを計算します。

Definitions: rtt = detected RTT value lowBound = low threshold value highBound = high threshold value score = network quality score If rtt >= highBound, then score = 0 If rtt <= lowBound, then score = 100 If lowBound < rtt < highBound, then score = 100 * ((rtt - lowBound) / (highBound - lowBound))

続いて、HTML Access は次のルールを使用してネットワークの安定性を判断します。

Definitions: score = network quality score thresholdGood = minimum score required to indicate good network stability thresholdPoor = high limit of score range indicating poor network stability If score >= thresholdGood, the network is considered good and no notification is displayed. If thresholdPoor <= score < thresholdGood, the network is considered OK and no notification is displayed. If score < thresholdPoor, the network is considered poor and a notification is displayed.

次の手順を使用して、HTML Access がネットワーク品質スコアを計算し、ネットワークの安定性を判断するために使用するしきい値をカスタマイズできます。

  1. 管理者権限を使用して Horizon Connection Server ホスト マシンにログインします。
  2. Program Files/VMware/VMware View/Server/broker/webapps/portal/WEB-INF/classes ディレクトリに移動します。
  3. テキスト エディタで portal-version.properties ファイルを開きます。
  4. 構成ファイルで次のプロパティを指定します。
    プロパティ 有効な値 説明
    enableNetworkIndicator true または false

    ネットワーク通知機能を有効 (true) にするか、無効 (false) にするかを指定します。

    値を false に設定すると、[設定] ウィンドウから [ネットワーク状態の表示を無効にする] オプションが削除されます。

    デフォルト値は true です。

    networkState.TcpRttMSLow 任意の正の整数

    ネットワーク品質スコアの計算に使用される低 RTT しきい値。この値は、networkState.TcpRttMSHigh 値よりも小さくする必要があります。この値は、前述のルールの「lowBound」変数に対応します。

    デフォルト値は 2 です。

    networkState.TcpRttMSHigh 任意の正の整数

    ネットワーク品質スコアの計算に使用される高 RTT しきい値。この値は、networkState.TcpRttMSLow 値よりも大きくする必要があります。この値は、前述のルールの「highBound」変数に対応します。

    デフォルト値は 400 です。

    networkState.TcpThresholdGood 0 ~ 100 のパーセンテージ

    良好なネットワーク安定性を示すために必要な最小スコア。この値は、networkState.TcpThresholdPoor 値よりも大きくする必要があります。この値は、前述のルールの「thresholdGood」変数に対応します。

    デフォルト値は 85 です。

    networkState.TcpThresholdPoor 0 ~ 100 のパーセンテージ

    ネットワークの安定性が低いことを示すスコア範囲の上限。この値は、networkState.TcpThresholdGood 値よりも小さくする必要があります。この値は、前述のルールの「thresholdPoor」変数に対応します。

    デフォルト値は 40 です。

    networkState.RttCheckPeriodMs 2000 より大きい整数

    ネットワーク RTT を監視する時間間隔(ミリ秒単位)。

    デフォルト値は 15000 です。