vCenter Server の Security Token Service (STS) は、セキュリティ トークンの発行、検証、更新を行う Web サービスです。
トークンの発行者である Security Token Service (STS) では、プライベート キーを使用してトークンに署名し、サービスのパブリック証明書を公開してトークンの署名を検証します。vCenter Server では、STS 署名証明書が管理され、VMware Directory Service (vmdir) に保存されます。トークンは有効期間が長く、複数のキーのいずれも、これまで署名に使用された可能性があります。
ユーザーはプライマリ認証情報を STS インターフェイスに提供して、トークンを取得します。プライマリ認証情報は、ユーザーのタイプによって異なります。
ユーザーのタイプ | プライマリ認証情報 |
---|---|
ソリューション ユーザー | 有効な証明書 |
その他のユーザー | vCenter Single Sign-On アイデンティティ ソースで使用できるユーザー名とパスワード |
STS は、プライマリ認証情報に基づいてユーザーを認証し、ユーザー属性が含まれている SAML トークンを構築します。
デフォルトでは、VMware Certificate Authority (VMCA) で STS 署名証明書が生成されます。STS 署名証明書を新しい VMCA 証明書で更新できます。デフォルトの STS 署名証明書をインポートして、カスタムまたはサードパーティによって生成された STS 署名証明書と置き換えることもできます。会社のセキュリティ ポリシーですべての証明書の置き換えが必要な場合を除いて、STS 署名証明書を置き換えないでください。
vSphere Client を使用して、以下のことを行えます。
- STS 証明書の管理
- カスタムおよびサードパーティによって生成された STS 証明書のインポートと置き換え
- 有効期限などの STS 証明書の詳細を表示
コマンド ラインを使用して、カスタムおよびサードパーティによって生成された STS 証明書を置き換えることもできます。
STS 証明書の期間と有効期限
vSphere 7.0 Update 1 以降の新規インストールでは、10 年の期間を持つ STS 署名証明書が作成されます。STS 署名証明書の有効期限が近づくと、90 日前から 1 週間に 1 回アラームが表示され、7 日前になると毎日表示されます。
STS 証明書の自動更新
vSphere 8.0 以降で vCenter Single Sign-On を使用すると、VMCA によって生成された STS 署名証明書は自動的に更新されます。自動更新は、STS 署名証明書の有効期限が切れる前、かつ 90 日の期限切れアラームがトリガされる前に実行されます。自動更新が失敗した場合、vCenter Single Sign-On はログ ファイルにエラー メッセージを作成します。必要に応じて、STS 署名証明書を手動で更新できます。
STS 証明書の更新、インポート、および置き換え
vSphere 8.0 以降、STS 署名証明書の更新、インポート、または置き換えでは vCenter Server による再起動が必要ないため、ダウンタイムが発生しません。また、リンクされた構成で、単一の vCenter Server の STS 署名証明書を更新、インポート、または置換すると、リンクされたすべての vCenter Server システムの STS 証明書が更新されます。
vSphere Client を使用した vCenter Server STS 証明書の更新
vSphere Client を使用して、vCenter Server STS 署名証明書を更新できます。VMware Certificate Authority (VMCA) によって新しい証明書が発行され、現在の証明書が置き換えられます。
STS 署名証明書を更新すると、VMware Certificate Authority (VMCA) によって新しい証明書が発行され、VMware Directory Service (vmdir) の現在の証明書が置き換えられます。STS は新しい証明書を使用して新しいトークンを発行します。拡張リンク モード構成で、vmdir は新しい証明書を発行元の vCenter Server システムからリンクされているすべての vCenter Server システムにアップロードします。STS 署名証明書を更新する場合、vCenter Server システムと、拡張リンク モード構成の一部であるその他の vCenter Server システムを再起動する必要はありません。
カスタム生成された、またはサードパーティの STS 署名証明書を使用している場合、更新によってその証明書が VMCA によって発行された証明書で上書きされます。カスタム生成された、またはサードパーティの STS 署名証明書を更新するには、インポートおよび置換オプションを使用します。vSphere Client を使用した vCenter Server STS 証明書のインポートと置き換えを参照してください。
VMCA によって発行された STS 署名証明書は 10 年間有効で、外部向けの証明書ではありません。会社のセキュリティ ポリシーで要求される場合を除き、この証明書は置き換えないでください。
前提条件
証明書を管理する場合、ローカル ドメイン(デフォルトでは [email protected])の管理者のパスワードを入力する必要があります。証明書を更新する場合、vCenter Server システムの管理者権限のあるユーザーの vCenter Single Sign-On 認証情報も入力する必要があります。
手順
vSphere Client を使用した vCenter Server STS 証明書のインポートと置き換え
vSphere Client を使用して、vCenter Server STS 証明書をインポートし、カスタム生成証明書またはサードパーティ証明書と置き換えることができます。
デフォルトの STS 署名証明書をインポートして置き換えるには、最初に新しい証明書を生成する必要があります。STS 署名証明書をインポートして置き換えると、VMware Directory Service (vmdir) は新しい証明書を発行元の vCenter Server システムからリンクされているすべての vCenter Server システムにアップロードされます。
STS 証明書は、外部向けの証明書ではありません。会社のセキュリティ ポリシーで要求される場合を除き、この証明書は置き換えないでください。
前提条件
証明書を管理する場合、ローカル ドメイン(デフォルトでは [email protected])の管理者のパスワードを入力する必要があります。vCenter Server システムの管理者権限を持つユーザーの vCenter Single Sign-On 認証情報も入力する必要があります。
手順
コマンド ラインを使用した vCenter Server STS 証明書の置き換え
CLI を使用して、vCenter Server STS 証明書をカスタム生成された証明書またはサードパーティの証明書と置き換えることができます。
既存の STS 署名証明書を置換することで、会社が求める証明書を使用する、または有効期限切れ間近の証明書を更新することができます。デフォルトの STS 署名証明書を置き換えるには、最初に新しい証明書を生成する必要があります。
STS 証明書は、外部向けの証明書ではありません。会社のセキュリティ ポリシーで要求される場合を除き、この証明書は置き換えないでください。
前提条件
vCenter Server への SSH ログインを有効にします。vCenter Server シェルを使用した vCenter Server の管理を参照してください。
手順
vSphere Client を使用したアクティブな vCenter Server STS 署名証明書チェーンの表示
vSphere Client を使用して、アクティブな vCenter Server STS 署名証明書チェーンと証明書情報(有効期限の日付など)を表示できます。
手順
コマンド ラインを使用した LDAPS SSL 証明書の有効期限の特定
LDAPS を介した Active Directory を使用している場合は、LDAP トラフィック用の SSL 証明書をアップロードできます。SSL 証明書は、事前定義された存続期間後に期限が切れます。sso-config.sh コマンドを使用して、証明書の有効期限を表示し、期限が切れる前に証明書を交換するか更新するかを判断できます。
vCenter Server は、アクティブな LDAP SSL 証明書の有効期限が近づくとアラートを表示します。
LDAP を介した Active Directory または OpenLDAP ID ソースを使用し、サーバに対して ldaps:// URL を指定した場合に限り、証明書の有効期限情報を確認できます。
前提条件
vCenter Server への SSH ログインを有効にします。vCenter Server シェルを使用した vCenter Server の管理を参照してください。