フェイル セーフとなるようにアップグレードを計画および設計します。

vSAN をアップグレードする前に、ご使用の環境が vSphere のハードウェア要件とソフトウェア要件を満たしていることを確認してください。

アップグレードの前提条件

アップグレード プロセス全体の遅れにつながる要因について考慮します。ガイドラインおよびベスト プラクティスについては、『vSphere のアップグレード』ドキュメントを参照してください。

クラスタをアップグレードする前に主な要件を確認します。
表 1. アップグレードの前提条件
アップグレードの前提条件 説明
ソフトウェア、ハードウェア、ドライバ、ファームウェア、およびストレージ I/O コントローラ vSAN の新しいバージョンで、使用する予定のソフトウェアとハードウェア コンポーネント、ドライバ、ファームウェア、ストレージ I/O コントローラがサポートされていることを確認します。サポートされているアイテムは、VMware 互換性ガイドの Web サイト 「http://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php」に記載されています。
vSAN のバージョン vSAN の最新バージョンを使用していることを確認します。ベータ版から新しい vSAN にはアップグレードできません。ベータ版からアップグレードする場合は、vSAN を新規に導入する必要があります。
ディスク容量 ソフトウェア バージョンのアップグレードを完了するのに十分な空き容量があることを確認します。vCenter Server のインストールに必要なディスク ストレージ容量は、vCenter Server の構成によって異なります。vSphere のアップグレードに必要なディスク容量のガイドラインについては、『vSphere のアップグレード』ドキュメントを参照してください。
vSAN ディスク フォーマット vSAN ディスク フォーマットは、データの退避や再構築を必要としないメタデータのアップグレードです。
vSAN ホスト vSAN ホストがメンテナンス モードになっており、[データのアクセシビリティの確保] または [全データの退避] オプションが選択されていることを確認します。

アップグレード プロセスの自動化およびテストには、vSphere Lifecycle Manager を使用できます。vSphere Lifecycle Manager を使用して vSAN をアップグレードする場合、デフォルトの退避モードは [データのアクセシビリティの確保] になります。[データのアクセシビリティの確保] モードを使用する場合、データは保護されず、vSAN のアップグレード中に障害が発生した場合は、予期しないデータ消失が発生する可能性があります。ただし、[データのアクセシビリティの確保] モードでは、すべてのデータをクラスタ内の別のホストに移動する必要がないため、[全データの退避] モードの場合よりも短時間で処理されます。さまざまな退避モードの詳細については、『VMware vSAN の管理』ドキュメントを参照してください。

仮想マシン 仮想マシンがバックアップされていることを確認します。

推奨

vSAN で使用できるように ESXi ホストをデプロイする場合は、次の推奨事項について考慮してください。
  • ESXi ホストが 512 GB 以下のメモリ容量で構成されている場合は、インストール メディアとして SATADOM、SD、USB、またはハード ディスク デバイスを使用します。
  • ESXi ホストが 512 GB より大きいメモリ容量で構成されている場合は、インストール デバイスとして別個の磁気ディスクまたはフラッシュ デバイスを使用します。別個のデバイスを使用する場合は、vSAN がそのデバイスを使用しないことを確認します。
  • vSAN ホストを SATADOM デバイスから起動する場合は、シングルレベル セル (SLC) デバイスを使用し、起動デバイスのサイズを少なくとも 16 GB にする必要があります。
  • ハードウェアが vSAN の要件を満たしていることを確認するには、『vSAN のプランニングとデプロイ』を参照してください。

vSAN 6.5 以降では、vSAN クラスタに含まれる ESXi ホストの起動サイズの要件を調整できます。

2 ホスト構成のクラスタまたは vSAN ストレッチ クラスタ内の監視ホストのアップグレード

2 ホスト クラスタまたは vSAN ストレッチ クラスタの監視ホストは、vSAN クラスタの外部に配置されますが、同じ vCenter Server で管理されます。vSAN データ ホストと同じプロセスを使用して、監視ホストをアップグレードできます。

データ ホストをアップグレードする前に、監視ホストをアップグレードします。

vSphere Lifecycle Manager を使用して複数のホストを並行してアップグレードすると、データ ホストのいずれかと並行して、監視ホストがアップグレードされる場合があります。アップグレードの問題を回避するには、データ ホストと並行して監視ホストがアップグレードされないように、vSphere Lifecycle Manager を設定してください。